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歩く::アルプネリートについて


魔王城地下4880階
 

歩く::アルプネリートについて

 昔々、まだ世界には世界そのものしかなく、天と地の区別やWikiWikipediaの区別すらなかった頃、そこにはただひとつだけの主体が存在しました。当時の宇宙には彼以外の何ものも存在しなかったので、特に名前をつける必要もなかったのですけれど、今の私たちは彼以外の存在をたくさん知っています。だから、私たちはここではじめて彼に名前をつけるべきなのかもしれません。名前の付け方は何でもいいのですが、たとえばゼオート語で「最初の人」あるいはタマラ語で「日に日に増していく私の机の上に置かれた何か様々なものの乱雑さ」を意味するアルプネリートと呼んでみてはいかがでしょう。

 

 さて、アルプネリートはこの宇宙で最初にして唯一の全的存在でした。私たちの言葉で有り体に言えば、まさに神のごとき存在だったと言えるでしょう。こういった場合、神様は宇宙に自分しか存在しないという状況がつまらなくなって、自分以外の何かを創造してみたいと考えるようになるのがお決まりのパターンです。アルプネリートもご多分に漏れず、何か自分以外の異なる主体が存在すればいいなあと思うようになりました。

 

 こうして私たちと、私たちの世界が生まれたと言います。だから、この本を書いている私もまたアルプネリートであると言えるでしょう。いえ、ほんの昔話にすぎぬことです。