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歩く::エンカウント・リトルワイズマン


魔王城地下4880階
 

歩く::エンカウント・リトルワイズマン

 そしてまた、草原を歩いていた私の目の前に男の子と女の子が現れました。

 

「さあ、またここに来た」

「この場所もずいぶん変わったのね」

「でも、どこが変わったのかは分からないな」

「変わることだけが確かなことなの。後のことは、私には何も分からない」

 

 男の子と女の子が、私には分からない会話をしています。そして 驚いたことに、男の子と女の子は手を繋いでいました。私は、これをかつて何度も本の中で読んだことがあります。物語のはじまりに現れるこのような光景を、私はエンカウント・リトルワイズマンと呼んだのです。男の子と女の子は、巡り巡る繰り返しの象徴であり、またその主体でもあります。その経験直線の先端に位置する彼らは、必ず手を繋いでいなければならないのです。

 

 男の子と女の子は、私に目を留めます。そして、私に理解できない言葉を私に投げかけます。

 

「あなたは彼女ではないね」

「あなたはCじゃないし、もちろんAでもない」

「ここに来るのは、てっきりAのような者の片割れだと思っていた。けれど、あなたのように、その限りではない人もいるんだね」

「あなたにとって、私たちは何ら特別な存在でもないし、象徴でもない……だから、私たちはあなたに何の示唆ももたらせないわ」

「貴重なことなんだよ。僕たちにとって、僕たちが特別な存在とならない、あなたのような人と話せることは、とても特別なことなんだ」

 

 私には彼らの言葉が何ひとつ理解できませんでしたが、私は彼らに対していうべき言葉を本の中で見つけていました。だから、私は彼らにこう言ったのです。それは、私がずっと以前から彼らに伝えたいと思っていたことでした。

 

「私はAではなく、Cでもありません。そして、私はWなのです」